PA機器スピーカーメーカー Electro−Voice EVM15L
φ400 8Ω 200WATT スピーカーを解体・修繕します。

ステージモニター用スピーカーとしても使用できる、エレクトロボイスのフルレンジタイプのスピーカーの修理、張替をします。幸いなことにこのスピーカーは、補修用の張替キット部品が入手できます。近年においては並行輸入、逆輸入の製品が安く購入できるようになりましたが、今回は張り替えた方が安価なようですので張替修繕をします。まずは、部分補修できるかどうか慎重に解体していきます。

− スピーカーの解体・修繕 −                         2012.11.26

修繕完了

ボイスコイルとリード線間接続銅箔リードの接合部にて断線。アルミ系のコイル素材は半田付けができないので薄い銅箔で包み込むように挟み込み元々の銅箔とはんだ接合します。

ボイスコイルの補修例

フレーム後面 風景

フレーム前面 風景

6.エッジ取り外しの時同様にダンパーとフレームとの接合部にラッカーシンナー等を塗布して柔らかくしてから慎重に分離させます。次にダンパーとボイスコイルを分離させる作業に入るのですが、今回はボイスコイルの補修ができるレベルではないので分解はここまでとします。

スピーカーの解体作業
さすがにPAの威力はすごいです。コーン紙はビリビリに破けてボイスコイルの導通もなく、センター部分の動きも引っ掛かっていて動きが重たいです。
5.センターキャブを削り取った部分にデザインカッター等の刃を入れて分離します。その後リード線取り出し場所およびボイスコイル・ダンパーを残してコーン紙を除去し、リード線とコネクタ接合部の半田を溶かして分離します。

1.まずは再利用できる物を残すためにエッジとコーン紙を分離します。接合部はゴム系のボンドで接着していることが多いので、ラッカーシンナー等を刷毛で塗布して柔らかくした後、カッター等の刃をあてて慎重に分離します。

2.破れているコーン紙をセンターキャップ部分を残して除去します。さらにエッジ外周部上の防振パッドも剥がします。この部分もゴム系の接着剤を使用していることが多いので、ラッカーシンナー等を塗布して柔らかくして作業します。

3.同様にエッジをフレームより剥がします。

4.センターキャップを外すために、リューターまたは鋸刃を使ってコーン紙との接合部分を削ります。通常ここにはスピーカー駆動時にセンターキャップが共振してビビリ音が出ないよう樹脂系の接着剤でしっかりと止まっています。接続用のリード線等に傷を付けないよう慎重に作業を進めます。また、センターキャップを開ける前に磁性体コアとボイスコイルとの隙間に異物が入らないように刷毛と掃除機を使って細かいホコリ・ゴミ等を除去します。